『MOTHER』ってどんなゲーム?制作秘話も含めて解説いたします!

『MOTHER』ってどんなゲーム?制作秘話も含めて解説いたします!

1989年にファミコン用のソフトとして発売され、今なお根強い人気を誇るゲーム『MOTHER』をご存じですか?当時のRPGの常識を覆した内容は、多くの人の心を虜にしました。そして33年が経った今、『MOTHER』人気が再び盛り上がりを見せています。

本記事では、そんなMOTHERのゲームの内容や制作秘話などをご紹介したいと思います。

MOTHERってどんなストーリー?

『MOTHER』は、現代のアメリカを舞台にした当時としては珍しい設定のRPGです。

アメリカの田舎町、マザーズデイにある主人公の少年の家で家具や人形が勝手に動き出すポルターガイストが起きました。少年は何とかその騒ぎを鎮めることができました。パパの話では、「1900年代の始めに行方不明になり2年後に戻ってきた少年の曽祖父がPSI(超能力)の研究に没頭していた。そのことが怪奇現象と何か関係があるかもしれない」とのこと。

少年は、怪奇現象の原因を突き止めるため、冒険の旅に出ることになります。

MOTHERのユニークな特徴とは?

ここからは『MOTHER』の主な特徴を3点ご紹介いたします!

特徴その①:好きな料理をママが作ってくれる!

『MOTHER』は従来のRPGとは異色のユニークな特徴を持っています。ゲームを始める前に主人公やその仲間の名前を決めるメニューの後、なぜか「すきなこんだて」を入力できるようになっており、設定したこんだては、ゲームの中でママが手料理としてふるまってくれたりもします。

特徴その②:思わず笑ってしまうセリフがいっぱい!

『MOTHER』と言えば、そのオリジナリティーあふれるシナリオのテキストが人気の要因の一つとなっています。漢字が使えず、演出効果が限られる中、町の人たちの話すセリフは味のあるものが多い。例えば主人公は普通の12歳の少年なので、町で警官に話しかけると「がっこうはどうしたの」などというセリフが出てきて笑ってしまいます。

特徴その③:ホテルや病院など、現実の世界を再現!

『MOTHER』は現代のアメリカを舞台にしているので、町に行くとデパート、ハンバーガーショップ、ホテル、病院などがあり、主人公たちの旅をサポートしてくれます。セーブは町の公衆電話からパパに電話をかけることで行い、使えるお金もパパがキャッシュディスペンサーに振り込んでくれます。こうしたあくまで現代的な設定(オカルトやSF要素も入っていますが)が『MOTHER』というゲームを他のRPGと一味違ったものにしているのです。

MOTHERの制作秘話

MOTHERのゲームデザインを手がけたのは、有名なコピーライターである糸井重里氏です。MOTHERのシナリオを作るにあたり、同氏は「アナログを意識してデジタルを作っていた感じ」と、その制作過程を語っています。『ドラゴンクエスト」をプレイしていたらとても面白かったので、現代の街を舞台にしたRPGを作ったらもっと面白いんじゃないか、と思ったのがMOTHERを制作したきっかけだそう。糸井節が炸裂するゲーム中のセリフは、糸井氏が口でしゃべった内容をアシスタントがパソコンにタイプしていくことで作っていったのだそう。またゲーム上のマップをプリントして広げていたら、そのマップが当時借り切っていたアパートの部屋を飛び出してしまったというこぼれ話も。糸井氏の「ゲーム世界と現実世界は地続きなんだ」、という感覚を大切にして出来上がったのがMOTHERというゲームだったのです。

まとめ

他のRPGが中世ヨーロッパを舞台にしたり、フィクションの世界が中心だったのに対し、『MOTHER』は現代のアメリカの街を舞台に設定した新感覚RPG(当時)。ポップな音楽も奏功して1994年に発売された『MOTHER2』は大ヒットを記録しました。それに比べると『MOTHER』はややマイナーですが、糸井氏が作り上げた独特の世界観を味わえるゲームになっていると思うので、興味を持たれた方は是非プレイしてみてくださいね!